セレモニーは、いかにもチャン・イーモウ監督らしい演出。
映画を見た時にも感じる、中国の歴史文化の圧倒的な奥深さに
「もう、参りました」と言わせるような有無を言わせない迫力。
アメリカなんかは歴史(が無い)コンプレックスから中国の脅威を感じるだろうし、
日本は「ああ、所詮、中国の周辺の地域でしかないんだなー」と思ってしまう。
21世紀は中国の時代に決まりでいいです、
むしろ20世紀だけが中国にとって(長い歴史の中で)不遇の(僅か)100年であって
やっと本来の姿に戻るだけなんだと、すっかり中華思想にあてられてしまった。
東京が2回目のオリンピック開催地に立候補しているけど、
仮に、そうなったとして、世界に向けて表現できるものって何があるんだろう?
日本て何?日本らしさって何?
歴史的には、ルーツの多くが大陸にあると認めるとして、
そこから和風に変容する過程とか、オリジナルにあるもの、新たに発生したものなど、
日本人として、勉強しなければならないことが沢山あると痛感。
(現代の東京オリンピックの開会式を演出できる人って誰なんだろう?
やっぱ、押井守 監督?)
などと考えながらセレモニーを見ていたのだが、
だんだんと中国の「人」の熱さ、熱気が伝わってきて、
最初の国旗掲揚(少数民族が国旗を持ってきて)のシーンの胡散臭さも薄れ、
共産党なんてどうでもよくなってきて、
この中国の民衆、人民の力が(ある種のナショナリズムにせよ)真に解放されてこそ、
恐るべし21世紀の中国が誕生するんじゃないか、などと思った。
(長い歴史の中で、民衆の蜂起が成功した例って、あるのかな?)
その他、雑感。
TVカメラのカットがモニターで会場に映ってるんだと思うが、
プーチンのカットで歓声がワァー、ブッシュでワァー、
選手のカットでワァーとなったのはフェデラーだけっだった気がする。
(マスターズカップ(年間チャンピオンを決める大会)を上海に招致している影響かな?)
聖火リレーの最終走者は李寧さん。空中姿勢の美しさは、さすが元体操選手。
今は実業家としてスポーツ用品リーニンをナイキ、アディダス、プーマに次ぐ、
世界第4位のメーカーにしたらしい。(ミズノ、アシックス、、、泣)
国旗とオリンピック旗は、明らかに人工的に、たなびかせていると思うのだが、
その仕組みがわからない。
掲揚ポールの先端に小型の強力ファンが付いていて、上昇気流を発生させているのだろうか?
聖火台が突如出現した。
カメラワークのマジックではないと思うんだが、
であれば、鳥の巣に仕掛けられていたのか?
鳥の巣は内観からは全く意匠的効果がわからない。夜で外が暗いせいか?
でも、外観からも、もう少し軽やかさが欲しいと思う。
(コンペのアイディアの時より、実施で構造計算したら「ちょっと無理」だったらしい)